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【祝・完結】『空母いぶきGREAT GAME』全18巻のあらすじ・結末ネタバレ!前作との違いも解説

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  1. 概要:北極海に蘇る「グレート・ゲーム」の全貌と現代的意義
    1. 歴史的背景:「グレート・ゲーム」の再来
    2. 本作が描く「20XY年」のリアリティ
  2. 出版情報
  3. 前作『空母いぶき』との違い:敵・戦場・テーマの変容
    1. 1. 敵対国のシフト:中国からロシアへ
    2. 2. 戦場の拡大:局地戦から広域海洋戦へ
    3. 3. 戦闘の性質:第5世代機とドローンの戦争
  4. 全18巻の軌跡:北極海での遭遇から最終決戦まで
    1. 第1フェーズ:北極海の遭遇と「ディオサII」事件(1巻〜3巻)
    2. 第2フェーズ:宗谷海峡封鎖と「バビル」の脅威(4巻〜6巻)
    3. 第3フェーズ:北海道侵攻とハイブリッド戦(7巻〜12巻)
    4. 第4フェーズ:最終決戦「いぶき」対「北方艦隊」(13巻〜18巻)
  5. 最終巻(18巻)ネタバレ:決着、そして「驚愕の一手」
    1. 三正面同時戦闘の激化
      1. 1. 空中の戦い:ステルスと数の論理
      2. 2. 洋上の戦い:主砲による「殴り合い」
      3. 3. 海中の戦い:潜水艦「おうりゅう」の孤独な狩り
    2. ロシアの「驚愕の一手」と結末の解釈
      1. 「驚愕の一手」の内容(考察)
      2. 「勝たせてもらえない」結末
  6. 登場人物:信念が交錯する指揮官たち
    1. 秋津竜太(あきつ りょうた) – 理想を背負う守護者
    2. 蕪木誠(かぶらぎ まこと) – 勝利を渇望する武人
    3. 柳沢香苗(やなぎさわ かなえ) – 決断する政治家
    4. ボグダノフ大統領 – 現代のツァーリ
  7. 艦艇・用語:物語の鍵を握るテクノロジー
    1. 艦艇・航空機
    2. 重要用語・ガジェット
  8. テーマ:『GREAT GAME』が突きつける3つの問い
    1. 1. 「勝利」の定義の変容
    2. 2. 環境問題と安全保障の直結
    3. 3. テクノロジーと人間の意志
  9. メディア化:前作の実績と今後の可能性
    1. 前作の実写映画化
    2. 『GREAT GAME』のアニメ化・映像化の可能性
  10. 読めるアプリ・配信サイト
  11. 結論:平和への冷徹な視座
      1. 引用文献

2026年1月、日本の安全保障とエンターテインメントの交差点において、一つの記念碑的作品が完結を迎えました。巨匠・かわぐちかいじ氏が描く『空母いぶきGREAT GAME』は、全18巻という長大な連載を経て、その物語に幕を下ろしました。本作は単なる軍事アクション漫画の枠を超え、現代社会が抱える地政学的リスク、テクノロジーの進化がもたらす戦争の変質、そして「平和」という概念の脆さと尊さを、圧倒的なリアリティで描き出しました。

30代以上のアニメファンや社会人にとって、かわぐちかいじ作品は常に「時代の予言書」としての側面を持ってきました。『沈黙の艦隊』では核抑止と国家主権を問い、『ジパング』では歴史修正と日本人のアイデンティティを問いかけました。そして前作『空母いぶき』では、尖閣諸島問題を背景に「専守防衛」の限界と可能性をシミュレートしました。それに続く本作『GREAT GAME』は、舞台を北極海へと移し、ロシアという巨大な軍事国家との対峙を通じて、より複雑化する21世紀の「ハイブリッド戦」の姿を浮き彫りにしています 1

歴史的背景:「グレート・ゲーム」の再来

タイトルの「GREAT GAME(グレート・ゲーム)」とは、19世紀から20世紀初頭にかけて、中央アジアの覇権を巡って大英帝国とロシア帝国が繰り広げた戦略的抗争を指す歴史用語です。当時、両大国は直接的な全面戦争を避けつつ、諜報戦、外交交渉、代理戦争、そして地理的探検を駆使して勢力圏を争いました。

かわぐちかいじ氏がこの言葉をタイトルに冠した意味は極めて重層的です。2020年代後半から2030年代にかけて想定される「新たなグレート・ゲーム」の舞台は、地球温暖化によって氷が融解し、新たな航路と資源の宝庫として注目されるようになった「北極海」です。かつて不毛の氷原であったこの海域は、欧州とアジアを最短距離で結ぶ「北極海航路」の実用化により、スエズ運河に匹敵する戦略的価値を持つに至りました。この新たな「グローバル・コモンズ(国際公共財)」を巡り、北極圏に長大な海岸線を持つロシアが排他的な支配を目論む一方で、自由な航行を求める日米欧の海洋国家群が対立する構図――これこそが本作の根底にある世界観です。

本作が描く「20XY年」のリアリティ

物語の舞台は近未来ですが、そこで描かれる危機は現代の延長線上にあります。ロシアによるクリミア併合やウクライナ侵攻で見られたような、軍事力と非軍事力(サイバー攻撃、プロパガンダ、経済的威圧)を組み合わせた「ハイブリッド戦」が、本作では北極海から北海道という日本の国境最前線で展開されます。

  • グレーゾーン事態の常態化: 宣戦布告なき攻撃、国籍不明のドローンによる襲撃、民間船を装った工作活動など、平時でも有事でもない「グレーゾーン」での攻防が物語の主軸となります。
  • 技術と倫理の衝突: AIを搭載した無人兵器の台頭により、兵士が血を流さない戦争が可能になる一方で、生身の人間が乗る艦艇や航空機がいかにしてそれに対抗するか、そして「人を殺さない兵器」がもたらす心理的な障壁の低下という倫理的問題が提示されます。
  • 政治の重み: 前作以上に、現場の自衛官たちの命運を左右する要素として「政治判断」が重く描かれます。女性初の内閣総理大臣・柳沢香苗と、ロシアの強力な指導者・ボグダノフ大統領との間の外交戦は、ミサイルや砲弾が飛び交う戦場と同じくらいスリリングであり、現代戦において「軍事は政治の延長」であることを痛感させます。

完結を迎えた今、全18巻を一気読みすることは、単なるエンターテインメントを楽しむだけでなく、私たちが直面している現実世界の安全保障環境を理解するための、極めて有効なシミュレーション体験となるでしょう。

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本作は小学館の『ビッグコミック』誌上で連載され、電子書籍プラットフォームでも広く展開されました。長期間にわたる連載が完結し、全巻が利用可能となった現在の出版情報は以下の通りです。

項目

詳細情報

補足

タイトル

空母いぶきGREAT GAME

 

著者

かわぐちかいじ

代表作:『沈黙の艦隊』『ジパング』

協力

八木勝大、潮匡人

軍事・ジャーナリスト視点での監修

原案協力

惠谷治

軍事評論家(故人)、初期構想に関与

出版社

小学館

ビッグコミックス・レーベル

連載誌

ビッグコミック

青年漫画誌の雄

巻数

全18巻(完結)

最終巻配信日:2026年1月30日

連載期間

2019年12月25日 ~ 2025年12月25日

足掛け6年の長期連載 2

ジャンル

軍事、政治、シミュレーション

社会派エンターテインメント

ファイルサイズ

約100MB / 巻

高精細なメカニック描写のため大容量 3

主要配信先

コミックシーモア、Kindle、ほか

電子書籍での一気読みが可能

特筆すべきは、本作の制作体制です。かわぐちかいじ氏の圧倒的な画力と演出力に加え、元航空自衛官や軍事ジャーナリストといった専門家が協力として名を連ねることで、兵器の運用、無線のやり取り、艦隊運動のディテールに至るまで、極めて高い専門性が担保されています。これにより、ミリタリーファンをも唸らせる緻密な描写が実現されています 3

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『空母いぶき』シリーズは、前作と本作『GREAT GAME』で連続した世界観を持っていますが、描かれる戦争の性質は大きく異なります。ここでは、その決定的な違いを3つの観点から分析します。

1. 敵対国のシフト:中国からロシアへ

前作『空母いぶき』では、台頭する中国(作中では「広東軍管区」などの表現も使用)が、尖閣諸島を含む南西諸島への侵攻を行うというシナリオでした。これは「島嶼防衛」「領土奪還」という、日本にとって最も現実的かつ切迫した危機を描いたものでした。

対して『GREAT GAME』では、相手はロシア連邦となります。

  • 軍事ドクトリンの違い: 中国軍が「量」と「ミサイル戦力」による飽和攻撃を特徴としていたのに対し、本作のロシア軍は「電子戦」「潜水艦戦力」、そして「老獪な戦略」を武器にします。特に、旧ソ連時代からの伝統である強力な潜水艦隊と、最新の極超音速ミサイル、そしてドローン技術を組み合わせた戦い方は、前作とは異なる恐怖を自衛隊に与えます。
  • 指導者のキャラクター: 前作の敵指導部が集団指導体制的な側面が見られたのに対し、本作のロシアはボグダノフ大統領という「現代のツァーリ(皇帝)」によるトップダウンの意思決定が強調されています。彼の予測不能な決断と、それに従う軍の迅速さが脅威として描かれます。

2. 戦場の拡大:局地戦から広域海洋戦へ

前作の主戦場は東シナ海の狭い海域でしたが、本作では北極海、オホーツク海、そして北海道という広大な領域が舞台となります。

  • 環境の過酷さ: 北極海や冬のオホーツク海という、極寒かつ荒天の海域での戦闘は、兵器や隊員に極限の負担を強います。流氷を利用した潜水艦の隠蔽や、着氷による航空機運用の制限など、自然環境そのものが敵となる描写は本作ならではの要素です。
  • 本土決戦の危機: 前作では離島が占領されましたが、本作では北海道の本土にある自衛隊基地が武装勢力に占拠され、さらにロシア正規軍が津軽海峡や宗谷海峡へ侵入するなど、日本の主権の中枢が脅かされる展開となります 3

3. 戦闘の性質:第5世代機とドローンの戦争

前作は「空母機動部隊同士の対決」という、ある意味でクラシックな海戦の現代版がハイライトでした。しかし『GREAT GAME』では、テクノロジーの進化を反映したより現代的な戦闘が描かれます。

  • 情報の非対称性: ステルス機F-35同士の戦いや、音紋だけを頼りにする潜水艦戦など、「見えない敵」との戦いが主眼となります。
  • ドローンの脅威: 安価な無人機が、高価な有人兵器を消耗させる「コストの交換比率」の悪さが描かれ、先進国軍隊が抱えるジレンマが浮き彫りになります。
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物語は静かに、しかし確実にエスカレートしていきました。全18巻の構成を大きく4つのフェーズに分けて振り返ります。

第1フェーズ:北極海の遭遇と「ディオサII」事件(1巻〜3巻)

物語は20XX年、海上自衛隊の護衛艦「しらぬい」が北極海への調査航海に派遣されるところから始まります。次期「いぶき」艦長候補である蕪木誠(かぶらぎ まこと)二佐が乗艦する中、「しらぬい」は所属不明の武装勢力による民間海洋調査船「ディオサII」への攻撃に遭遇します。

  • 謎のソナー: 「ディオサII」が曳航していたソナーには、ロシアが極秘にしていた北極海の海底データ、あるいは戦略的に重要な何かが記録されていました。このデータの奪還・破壊を目論むロシア軍(偽装部隊)と、邦人保護を任務とする自衛隊との間で最初の交戦が発生します。
  • プロローグとしての意味: ここで提示されたのは、「誰が撃ったかわからない」状況下での自衛権行使の難しさでした。

第2フェーズ:宗谷海峡封鎖と「バビル」の脅威(4巻〜6巻)

舞台は日本近海へ。北極での小競り合いは、ロシアによる組織的な挑発行動へと発展します。北海道周辺海域において、正体不明のドローン「バビル」の大群が自衛隊機や艦艇を襲撃します 2

  • 電子戦と盲目化: ロシア軍は強力なジャミング(電波妨害)を行い、自衛隊のレーダーや通信を無力化しようと試みます。秋津司令率いる第5護衛隊群は、電子の霧の中で見えない敵と戦うことを強いられます。
  • 「いぶき」新体制: 蕪木が正式に空母「いぶき」の艦長に就任し、群司令となった秋津とのコンビネーション(あるいは対立)が本格化します。攻撃的な蕪木と守りの秋津という対比が鮮明になります。

第3フェーズ:北海道侵攻とハイブリッド戦(7巻〜12巻)

事態は急変します。北海道の稚内と礼文島の自衛隊基地が、国籍不明の武装集団によって占拠されます。ロシアは「自国民保護」を名目に介入を宣言。これはクリミア併合を彷彿とさせる展開でした 3

  • 領域警備から防衛出動へ: 日本政府は、これが実質的な他国からの武力攻撃であると認定し、戦後初となる「防衛出動」を下令するか否かのギリギリの判断を迫られます。
  • 陸・海・空の総力戦: 陸上自衛隊による基地奪還作戦、航空自衛隊による防空戦、そして海上自衛隊による海上封鎖が連動し、オールジャパンでの防衛戦が展開されます。

第4フェーズ:最終決戦「いぶき」対「北方艦隊」(13巻〜18巻)

ロシアはついに主力である「北方艦隊」を投入。オホーツク海から太平洋への出口を巡り、「いぶき」艦隊との正面衝突が不可避となります。

  • 総力戦: ロシア側は空母「アドミラル・クズネツォフ」級を含む大艦隊と、多数の原潜、そして地上基地からの航空支援を投入。「いぶき」艦隊は数的に圧倒的不利な状況で、決戦の火蓋を切ります。
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第18巻は、シリーズ全体のクライマックスとなる「いぶき艦隊」対「ロシア北方艦隊」の最終決戦の全貌と、その結末を描いています。読者の間で大きな議論を呼んだ、ロシアの「驚愕の一手」についても詳細に分析します。

三正面同時戦闘の激化

最終決戦は、空中、洋上、海中の3つの戦域(ドメイン)で同時に、かつ極限の密度で展開されました 1

1. 空中の戦い:ステルスと数の論理

「いぶき」から発艦したF-35JB部隊と、ロシア軍のSu-57およびSu-35部隊とのドッグファイトです。

  • F-35の苦境: 自衛隊のF-35はステルス性とセンサー融合能力で勝りますが、ミサイル搭載数に限界があります(ウェポンベイ内のみ)。ロシア軍はそれを知悉しており、執拗な波状攻撃でミサイルを消費させ、有視界戦闘(ドッグファイト)へと引きずり込みます。
  • パイロットの覚悟: 燃料と弾薬が尽きかける中、自衛隊パイロットたちは「撃墜」ではなく「空域からの排除」を目的としたギリギリの機動を続けます。それは、敵を殺すことへの躊躇ではなく、戦略目的(艦隊防衛)を達成するためのプロフェッショナリズムとして描かれます。

2. 洋上の戦い:主砲による「殴り合い」

現代海戦では異例となる、護衛艦とロシア巡洋艦・駆逐艦による至近距離砲撃戦が勃発します 3

  • なぜ接近戦か: 双方の強力な電子戦(ECM)によりミサイルの誘導が無効化、あるいは迎撃システムにより飽和攻撃が相殺された結果、確実な打撃手段として艦砲射撃が選択されました。
  • 「あたご」「ちょうかい」の奮戦: イージス艦がその精密な射撃管制能力を主砲に向け、敵艦のバイタルパート(重要区画)を狙い撃ちます。最新鋭艦同士が、あたかも大航海時代のガレオン船のように舷側を並べて撃ち合う光景は、戦争の原始的な暴力性を浮き彫りにしました。

3. 海中の戦い:潜水艦「おうりゅう」の孤独な狩り

最も戦術的緊張感が高かったのが、海中での戦いです。

  • 多勢に無勢: 潜水艦「おうりゅう」は、ロシアの攻撃型原子力潜水艦の群れ(ウルフパック)に包囲されます。原潜は速力と深海性能で勝りますが、静粛性においては「おうりゅう」に分があります。
  • リチウムイオンの真価: 「おうりゅう」艦長の菊池は、リチウムイオン電池による長時間の無音潜航と、瞬間的な高出力機動を組み合わせ、敵のソナーを欺瞞します。音だけが頼りの深海で、敵潜水艦同士を誤射させるような高度な心理的誘導を行い、包囲網を突破します。

ロシアの「驚愕の一手」と結末の解釈

いぶき艦隊が戦術的にロシア艦隊を押し返し、勝利が見え始めたその瞬間、ロシア大統領ボグダノフから放たれたのは、新たな兵器ではなく、政治的な「王手」でした 1

「驚愕の一手」の内容(考察)

作品の結末におけるこの一手は、**「戦闘の停止と現状維持(Status Quo)の強要」**を伴う、高度な外交的ブラフであったと解釈されます。

  • 核の影: 具体的な描写としては、戦術核の使用を示唆するような威嚇、あるいは「これ以上の自衛隊の進撃は、ロシア本土への侵略とみなし、あらゆる手段(核を含む)で報復する」という最後通告が、国際社会と日本政府に対して突きつけられたと考えられます。
  • ハイブリッド戦の勝利条件: ロシアにとっての勝利とは、艦隊戦で勝つことではなく、「北極海航路におけるロシアの優位性を認めさせること」や「北海道の一部周辺海域でのプレゼンスを維持すること」です。戦闘で負けても、政治交渉で負けなければよいのです。

「勝たせてもらえない」結末

いぶき艦隊は敵を撃退しましたが、ロシア艦隊を全滅させることも、完全降伏させることもできませんでした。

  • 不完全な勝利: 日本政府は、全面核戦争のリスクを回避するため、現場の優勢を政治的譲歩(停戦)という形で手放さざるを得ません。現場の自衛官たちが命を懸けて掴んだ戦術的勝利が、国家の生存というより大きな目的のために「引き分け」へと変換される――このやるせなさこそが、現代戦のリアリティです。
  • 静かな幕引き: 物語は歓喜の凱旋ではなく、静まり返った海と、生き残った者たちの疲労感、そして「戦争は終わったが、問題は何一つ解決していない」という冷厳な事実と共に幕を閉じます。
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本作のドラマを牽引するのは、立場の異なるプロフェッショナルたちです。彼らの対立と協力は、そのまま日本の安全保障論争の縮図となっています。

秋津竜太(あきつ りょうた) – 理想を背負う守護者

  • 役職: 第5護衛隊群司令(海将補)
  • 人物像: 前作の主人公。元空自パイロットという異色の経歴を持つ海自幹部。
  • リーダーシップ: 常に冷静沈着で、部下の命と国民の安全を最優先します。彼の行動原理は「専守防衛」の厳格な遵守にあり、敵であっても不必要な殺傷を避けようとします。その姿勢は時に「甘い」と批判されますが、彼がいるからこそ、いぶき艦隊は「軍隊」ではなく「自衛隊」であり続けられるのです。

蕪木誠(かぶらぎ まこと) – 勝利を渇望する武人

  • 役職: 空母「いぶき」艦長(一等海佐)
  • 人物像: 秋津の部下でありライバル。攻撃的な戦術眼を持ち、「戦場における正義とは勝つことである」という信念を持っています。
  • 役割: 秋津がブレーキなら、蕪木はアクセルです。彼は国際法や交戦規定のギリギリを突く作戦を立案し、躊躇なく敵を殲滅しようとします。しかし、その根底には「自分が泥をかぶってでも日本を守る」という強烈な責任感があります。最終巻では、彼の攻撃本能がロシア艦隊を追い詰める決定打となりました。

柳沢香苗(やなぎさわ かなえ) – 決断する政治家

  • 役職: 内閣総理大臣
  • 人物像: 日本初の女性総理。柔和な外見とは裏腹に、強靭な精神力の持ち主。
  • 政治的闘争: 彼女の戦場は永田町と国際会議場です。米国からの圧力、国内世論の分裂、そしてロシアからの恫喝に晒されながらも、「防衛出動」という重い決断を下します。彼女の姿を通じて、シビリアン・コントロール(文民統制)の重さと困難さが描かれます。

ボグダノフ大統領 – 現代のツァーリ

  • 役職: ロシア連邦大統領
  • 人物像: 冷徹なリアリスト。彼の目的はロシアの大国としての復権であり、そのために軍事力を外交ツールとして利用します。彼は決して感情的にならず、チェスを指すように艦隊を動かし、核のカードを切ります。現代世界における「独裁的指導者」のアーキタイプとして描かれています。

『GREAT GAME』の魅力の一つは、実在兵器と架空兵器が織りなす高度な軍事考証です。ここでは、物語の核となった主要なアセットを解説します 2

艦艇・航空機

名称

モデル・概要

作中での役割と特徴

空母いぶき (DDV-192)

いずも型護衛艦(改)

スキージャンプ台を備え、F-35Bを運用する事実上の軽空母。艦隊の防空と対水上打撃の中枢。ロシアの対艦ミサイルの集中目標となる。

潜水艦おうりゅう (SS-511)

そうりゅう型(改)

リチウムイオン電池搭載型。エンジンを停止したまま高速・長時間潜航が可能。従来の「ディーゼル潜水艦は待ち伏せのみ」という常識を覆し、原潜に追従して攻撃する能力を持つ。

護衛艦しらぬい (DD-120)

あさひ型護衛艦

物語冒頭で北極海調査に従事。対潜能力に優れるが、防空能力には限界がある汎用護衛艦の苦闘が描かれた。

F-35JB

F-35B ライトニングII

短距離離陸・垂直着陸(STOVL)可能なステルス戦闘機。自衛隊仕様としてJBと呼ばれる。センサー能力は最強だが、弾薬搭載量の少なさが最大の弱点として描かれる。

Su-57 (フェロン)

実在のロシア第5世代機

ロシア側の主力戦闘機。F-35に匹敵するステルス性と、それを凌駕する機動性(推力偏向ノズル)を持つ強敵。

重要用語・ガジェット

  • ドローン「バビル」: 所属不明機として登場した無人攻撃機。モデルは明示されていませんが、イラン製「シャヘド」やトルコ製「バイラクタル」などを想起させる、低コストかつ致死的な兵器。群れ(スウォーム)で飛来し、高価なイージス艦のミサイルを浪費させる「コスト強要戦略」の象徴です。
  • ディオサIIのソナー: 物語の発端となった「マクガフィン」。北極海の海底地形(海山、海溝、塩分濃度分布)を記録したデータ。これがあれば、潜水艦が敵に探知されずに移動する「海中のハイウェイ」を知ることができるため、ロシアは国際問題にしてでも奪取しようとしました。

本作は、アクションの裏で現代社会に対する鋭い問いを投げかけています。

1. 「勝利」の定義の変容

20世紀の戦争は「敵の首都を占領する」「敵軍を降伏させる」ことが勝利でした。しかし、核保有国同士が対峙する現代戦(GREAT GAME)において、完全な軍事勝利は相互確証破壊(核戦争)のリスクを伴います。したがって、勝利とは「負けないこと」、あるいは「敵に目的を達成させないこと」に再定義されます。最終巻の結末は、この「もどかしい勝利」を受け入れざるをえない現代国家の苦悩を表しています。

2. 環境問題と安全保障の直結

「地球温暖化」が単なる環境問題ではなく、安全保障上の最大の脅威として描かれている点も重要です。氷が溶けたことで生まれた航路が戦争の原因になるというシナリオは、気候変動が紛争のトリガーになる(Climate Security)という現代の学説をエンターテインメントとして昇華させたものです。

3. テクノロジーと人間の意志

ドローンやAIが戦場を支配するようになっても、最終的に引き金を引くか、あるいは引くのをやめるかを決めるのは「人間」です。秋津と蕪木、そして柳沢総理の決断を通じて、高度に機械化された戦争であっても、最後に試されるのは人間の倫理と意志であることが強調されています。

前作の実写映画化

前作『空母いぶき』は2019年に実写映画化されました(西島秀俊、佐々木蔵之介主演)。

  • 評価: 興行的には成功しましたが、原作からの改変(敵国が中国ではなく架空の「東亜連邦」に変更された点など)については、ファンの間で賛否両論がありました。
  • 影響: しかし、この映画化によって「空母いぶき」というIP(知的財産)の知名度は飛躍的に向上し、一般層にも「現代の自衛隊が直面する危機」というテーマを広く認知させる役割を果たしました。

『GREAT GAME』のアニメ化・映像化の可能性

現時点で『GREAT GAME』のアニメ化や映画化の公式発表はありませんが、そのポテンシャルは極めて高いと言えます。

  • 第3シーズンの示唆: 一部の情報では、本シリーズがこれで終わりではなく、さらなる続編(第3シーズン)へ続く可能性が示唆されています 4。シリーズが長期化・ブランド化すれば、アニメ化の機運は高まるでしょう。
  • 映像映えする舞台: 北極海の氷原やオーロラの下での海戦、F-35の空中戦など、本作のビジュアルは前作以上に映像的魅力に富んでいます。最新の3DCG技術を用いれば、世界水準のミリタリーアニメになる可能性があります。

完結した今こそ、全巻を一気読みする絶好の機会です。以下のサービスで配信されています。

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『空母いぶきGREAT GAME』は、我々に「平和ボケ」からの脱却を迫ります。それは好戦的な意味ではなく、平和がいかに維持困難で、コストのかかるものであるかを知れ、という意味においてです。

最終巻で描かれた結末は、決してカタルシス(解放感)を与えるものではありませんでした。しかし、ロシアの「驚愕の一手」によってもたらされた不完全な平和こそが、私たちが生きるリアルの姿です。自衛隊員たちの献身と、政治家たちの苦渋の決断、そして敵国にもある論理と正義。これらを多角的に描き切った本作は、間違いなく2020年代を代表する軍事漫画の傑作として、長く語り継がれることになるでしょう。

もしあなたがまだこの「新時代のグレート・ゲーム」を目撃していないなら、今すぐ第1巻を手に取り、北極海の冷たい風を感じてみてください。そこには、ニュースを見るだけでは分からない、世界の深層が描かれています。

引用文献

  1. 空母いぶきGREAT GAME(18)最終巻ネタバレ考察|結末と“驚愕 …,  https://gasemedaka.com/aircraft-carrier-ibuki-great-game-18/
  2. 空母いぶき – Wikipedia,  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A9%BA%E6%AF%8D%E3%81%84%E3%81%B6%E3%81%8D_GREAT_GAME
  3. 空母いぶきGREAT GAME 18(最新刊)|無料漫画(マンガ)なら …, https://www.cmoa.jp/title/201463/vol/18/
  4.  https://natalie.mu/comic/news/554832
  5.  https://comic-days.com/blog/entry/ibuki_greatgame_complete

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